ぼたもちは、春には「ぼたもち(牡丹餅)」秋には「おはぎ(御萩)」と呼ばれていることはみなさんすでにご存じのことと思います。
春は牡丹の花の時期だから「牡丹餅」。
秋は萩の花の時期だから「御萩」。
春と秋の呼び名はあるけど、夏と冬の呼び名はないのかな?
と気になって調べたところ、ぼたもちには夏と冬にも 「夜船」「北窓」 という正式な呼び名があるということがわかりました。
…これまで全く知りませんでした。。
そこで、夜船北窓の読み方や名前の意味・由来を調べました。
また、調べていくうちに「 牡丹餅は棚から落ちてこない 」ということわざがあることも知りました。
夜船 北窓の読み方は?
夜船 北窓の読み方はそのまま…
よふね きたまど
です。
ぼたもちの夏の呼び名が「夜船(よふね)」
冬の呼び名が「北窓(きたまど)」
です。
なかなか粋で風流ですね。
ぼたもちの格がぐんとあがったような…
知らないと、 「夜船」「北窓」というだけでは何のことかわからないかも。
夜船 北窓は、現在ではほとんど使われていないそうですが、春夏秋冬の季節によって呼び名があるというのはとても豊かな感じがするものですね。
夜船 北窓 お萩 牡丹餅と呼ぶ意味・由来
ぼたもちの呼び名については「 同じものを春は牡丹餅、秋は御萩」と呼ぶ…季節によって呼び名が違うという説以外にも諸説あるそうです。
夜船 北窓は上記の「同じものを春は牡丹餅、秋は御萩」と呼ぶ説の中での、夏と冬の呼び名です。
その由来の巧みな言葉遊びに、なるほど~と感じます。
こういうのを考えつく
おはぎ ぼたもち 夜船 北窓の呼び名の由来
引用元 Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BC%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%A1
・春 牡丹餅
牡丹の花が咲く季節、すなわち春の彼岸に、神仏や先祖への供物とされた小豆餡の様子を、牡丹の花に見立てたことから。和漢三才図会には「牡丹餅および萩の花は形、色をもってこれを名づく」と記されている。
・夏 夜船(よふね)
ぼたもちは、もちと作り方が異なるため、「ペッタン、ペッタン」という音を出さずに作ることができ、隣に住む人には、いつ搗いたのか分からない。
そこで「搗き知らず」→「着き知らず」と言葉遊びをして、夜は暗くて船がいつ着いたのか分からないことから。
・秋 御萩
牡丹餅と同じく、小豆餡の様子を秋の彼岸の時期に咲く萩の花に見立てたことから。
・ 冬 北窓(きたまど)
夜船と同様に、「搗き知らず」→「月知らず」と言葉遊びをして、月を知らない、つまり月が見えないのは北側の窓だ、ということから。
おはぎ ぼたもちの違いその他の説
- もち米を主とするものを「ぼたもち」、うるち米を主とするものを「おはぎ」
- 小豆餡を用いたものが「ぼたもち」、きな粉を用いたものが「おはぎ」
- こし餡を使ったものを「ぼたもち」、つぶ餡や煮た小豆そのままを使ったものを「おはぎ」(逆の場合もあり)
- 地方によって呼び方が違う(一例/ 東京では春秋ともに「おはぎ」と呼んでいたという説あり、関東は「おはぎ」)
ことわざ「 牡丹餅は棚から落ちてこない 」
これまで「棚からぼたもち」ということわざはよく耳にしていました。
省略すると「タナボタ」。
意味は、 努力することなしに予期しない幸運が舞い込んでくること というものです。
で、今回初めて知ったのが「 牡丹餅は棚から落ちてこない」ということわざ。
「 牡丹餅は棚から落ちてこない 」の意味は「棚から牡丹餅 」 の逆で、 思いがけない幸運は、まず舞い込むことはないということ。
こんなことわざがあったんですね。。
「 牡丹餅は棚から落ちてこない」 って…。
なんというか、がっかりと淋し~くなるような気もすることわざです。
楽して幸運が転がり込んでくることはまずないんだから、そんなことを期待しないで真面目にしっかり務めましょう という意味が込められているのでしょうか。
そりゃあまあ、そうでしょうけど。。
…そんなこんなを考えると、牡丹餅って幸運のシンボルみたいな感じがします。
砂糖が貴重品だった時代には、どーんとぼってりとしたぼたもちは贅沢品であり、幸運の象徴にもぴったりな存在だったのでしょう。
まとめ~現在は「おはぎ」が主流か?
夜船 北窓
粋で風雅な呼び名ですね。
季節ごとの呼び名まであるほど愛されていて、ことわざにも使われる「ぼたもち」ですが、現在は年中「おはぎ」の名で販売している和菓子屋さんの方が多いようです。
一般的にも現在は「ぼたもち」よりも「おはぎ」と呼ばれることが多いようです。
試しに「楽天 おはぎ」と検索すると、 約447,000件。
「楽天 ぼたもち」では 約233,000件。
楽天通販での「ぼたもち」は、ほんの少ししか登場せず、炭化土ぼたもちの陶器がずらりと登場してきます。
通販で購入する場合は「おはぎ」で検索した方がいいですね。
「たなぼた」をやっぱり願いつつ、ぼたもち食べます。
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